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収穫の秋です。パン食系女子にとっても新米の誘惑は強く、パン食系ときどき新米食系女子になってしまいますよね。

パン食系女子の主食はかなりの確率でパンだと思われますが、日本全体で見ると主食はやはり米。そして、その国民の主たるエネルギー源となる主食は、どんな国でも大切に扱われます。たとえば日本では「お米には八十八の手間がかかっている」などという言い伝えは今も残り、日々の糧に感謝する心を持つように教育されています。子どもの頃、お茶碗に米粒を残しておばあちゃんに怒られた、という方も多いのでは?

私たちの米を粗末にしたくないという気持ちと同じように、ヨーロッパでは残ったパンの一切れまで、いえ一切れどころかパンくずさえ捨てることははばかられ、調理して食べられています。その理由としては、宗教的なことが関係していると言われます。パンはキリストの身体(肉)を表しているとされ、パンを粗末にすることはキリストの肉を捨てるも同然だという考えが根底にあるのです。

そのためか、ヨーロッパの人々は残ったパンのおいしい食べ方をよく知っています。フレンチトーストやパンプディング、パンをスープのとろみづけとして使うスペインのガスパチョ。今月のレシピで紹介する「パッパ・アール・ポモドーロ」は、硬くなったパンを煮て食べるという、日本の雑炊とちょっと発想が似た伝統料理です。

硬くなってもおいしく食べられるパンですが、おいしいまま保存できたら尚よし。翌日以降に食べる場合は冷凍保存がおすすめです。スライスした後ラップで包み、さらにビニール袋に入れて冷凍庫へ。これで、2週間は大丈夫。自然解凍か軽くトーストしていただきます。

彼は絶対、怒っている。

全然気にしてないよ、といいながらも
朝から私と顔を合わさずにソファで小説を読んでいる。

私にはわかる。
彼の唇が微妙にこわばり、前に出ているのを。

その口元が
彼の怒りが今も静まってないことを証明している。
朝から曇り、気温もあまり上がらない。
寒さと気まずい雰囲気が二人の部屋を包む。

何より、空腹は怒りを増大させる。

昼前のこの中途半端な時間には
ブランチとして
パッパ・アール・ポモドーロを作る。

弱火ですりつぶしたニンニクを
オリーブオイルでゆっくりと炒める。
時間をかけて、ニンニクの香りをオイルに染み込ませる。
ホールトマトとブイヨンを加え、煮込んだ後に
ちぎったフランスパンを入れる。

パッパ・アール・ポモドーロ
聴きなれない料理だけど、トスカーナで言えば
トマトのおかゆ。パンがお米と言ったところ。

初めて彼と話したバールで
おいしそうに食べていたのを、覚えているから
今日は作りたかった。

怒りの理由はわかっている。
昨夜の女子会があまりにも楽しく
家で待っている彼に、連絡をしなかった事。

満腹は平穏を取り戻させる。
食後には必ず笑顔の二人になれるはず。

そんな期待を込めて、彼に声をかける。

「よく食べるね」「エコと呼んで」
そう、食いしん坊だということは置いといて、
出された食事を残すことに抵抗感があるのがパン食系女子。
私たちに食べられるために豚さんや牛さん、野菜たちは
一生懸命育ってくれたんだもの、残して捨てるなんて言語道断。
でも、ランチビュッフェに出かけたときは、
そんなエコ心もどこかへ消えて…。はちきれそうな胃袋をさすりながら、
皿に残った小ポーションのケーキをボーっと見つめ、
敗北感と罪悪感に包まれるのがお決まりの、パン食系女子なのです。

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